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今日の経済・国際情勢ニュース(2026-01-01)

米国 米株は2025年末(12/31)にかけて堅調維持:S&P500は年末に6,845前後、年間ではプラス圏を確保(ハイテク主導)。 背景は「利下げ局面入り+AI投資の粘り強さ」:2025年に政策金利は合計75bp引き下げ(3.50–3.75%レンジ)と報じられ、市場は2026年も追加利下げを織り込む動き。 含意:リスク資産は“金利低下×利益成長”に敏感。2026年はインフレ再燃や関税・規制などの政策ショックが「バリュエーション調整」の火種。 住宅面では、米30年住宅ローン金利が年末時点で6%台前半まで低下と報じられ、春先の需要回復余地はある一方、価格水準と供給制約で回復は段階的になりやすい。 欧州 欧州株は12/31で年末モード:STOXX600は555.94(-0.5%)と小幅安でも、通年ではプラス(年末までの上昇を維持)。 背景:インフレ鈍化期待と景気の底割れ回避が支えだが、域内の成長率はなお弱く、金融政策は“利下げの時期と回数”の駆け引きが中心。 含意:欧州は「景気の弱さ=金利低下」になりやすい一方、地政学・エネルギー・通貨(ユーロ)でブレやすく、株は米国主導のリスクオンに同調しやすい。 日本 年頭メッセージでは「物価高対応」と「改革の継続」が前面:首相は人口減・物価高・安全保障など課題を列挙し、“変化を恐れず改革”を強調。 経産省側は「物価高対策の迅速実行」と「賃上げの原資づくり」を強調:電気・ガス支援(標準家庭で1〜3月合計7,300円程度)や、価格転嫁・取引適正化の徹底などが言及。 経済界は「賃上げの定着」を重視:物価上昇を上回る賃上げを続け、実質賃金のプラス定着を目指す論調。 含意:2026年は「実質賃金が本当にプラス定着するか」と「円安・エネルギーコストの再上昇」が家計・内需の分岐点。政策の焦点は“支援→構造改革(生産性・価格転嫁)”へ。 中国 景況感は12月に持ち直し:国家統計の製造業PMIが50.1(前月49.2)、非製造業PMIが50.2(50.0)と報じられ、拡大・縮小の分岐を上回り。 民間系(Caixin)も製造業PMIが50.5(49.8)と改善し、受注・生産の底入れ感が示唆される一方、不動産不況の長期化が構造的な重し。 含意:短期は“在庫・季節要因”で改善しても、2026年は「不動産・地方財政・対外摩擦」の3点セットが投資マイ...

第2回:実質と名目を分ける(購買力の変化と、市場の揺れは別物)

  【時間軸:短期(〜数年)/中期(5〜10年)】 本稿は、円について「安全/危険」を断定するのではなく、**起こりやすさ(確率) と 進み方(速度)**を整理します。 また、**購買力の変化(実質)**と、**為替・金利など市場の揺れ(名目・市場)**を混同しません。 結論は一つに固定せず、 条件がそろうほど確率が上がり、重なるほど速度が上がり得る という枠組みで読み進めます。 1. まず結論:このシリーズで一番大事なのは「混同しない」こと 円の話が炎上しやすいのは、多くの場合、次が混ざるからです。 実質(生活) :円で買える量=購買力が増えた/減った 名目・市場(相場) :為替や金利が大きく動いた/揺れた ここを混ぜると、短期の相場の動きを見て「生活が終わる」と言ったり、 逆に生活が苦しくても「市場は大丈夫だから問題ない」と言ってしまったりします。 本シリーズは、最初から最後までこの混同を避けます。 2. 実質(購買力)とは何か:生活の問いに直す 実質の問いはシンプルです。 同じ円で、以前と同じ量が買えるか? 購買力が弱くなる典型は、 物価が上がる 賃金が追いつかない 実質金利が低い(マイナス寄り)状態が続く という形で進みます(第7〜8回で詳しく扱います)。 ここで重要なのは、実質は「じわじわ進む」ことが多い点です。 生活はある日いきなりゼロにはなりにくい一方、気づいたときに効いている、という形になりやすい。 3. 名目・市場とは何か:ニュースになりやすい“揺れ” 名目・市場の問いはこうです。 為替・金利が急に動いたか? そして揺れが大きいか? 市場は毎日価格が動くので、名目の話はニュースになりやすい。 ただし、名目の揺れがそのまま生活を決めるわけではありません。 為替が動いても、物価に波及しないことはあります 金利が動いても、家計の体感がすぐ変わるとは限りません 名目は「速い」、実質は「遅い」。 まずこのリズムの違いを押さえると、議論が整理されます。 4. 名目が実質に波及する“経路”だけは押さえる 名目と実質は別物ですが、つながりはあります。 重要なのは、つながり方が「経路」になっていることです。 代表的な経路はこれです。 ...

今日の経済・国際情勢ニュース(2025-12-31)

米国 FRBは12月会合で政策金利を3.50〜3.75%へ0.25%利下げしたが、議事要旨では当局内の見方の分散が示され、2026年の追加利下げは「段階的・選別的」になりやすい空気感。 政府機関閉鎖が統計の連続性に影響したとの指摘もあり、次の材料は年明けの雇用・インフレに集約されやすい。 住宅では、FHFAの住宅価格(10月)が前年比+1.7%と伸びが鈍化しており、金利低下だけでなく「価格の落ち着き」も改善材料になり得る。 含意としては「景気減速への保険」と「インフレ粘着」の綱引きが続き、長期金利が下がり切らない局面では株式の上値余地が選別化しやすい。 欧州 欧州株は銀行・資源株が支え、STOXX 600が592台まで上昇するなど、年末の薄商いでも堅調さが残った。 ECBはデポジット金利2.00%(据え置き局面)を軸に、インフレ鈍化と成長の弱さを天秤にかける構図が継続。 英国はBOEが12月に政策金利を3.75%へ引き下げた一方、追加利下げペースは慎重姿勢が意識され、ポンドは対ユーロで底堅さが出やすい。 含意としては、欧州は「金融緩和期待+銀行収益(利ざや)+資源循環」の組み合わせで指数は粘るが、景気指標の弱さが出ると上昇の持続性は落ちやすい。 日本 大納会の総括として、日経平均は5万339円水準で年を終え、年間では約+26%と報じられている(年末は薄商いで値動きが荒くなりやすい)。 円相場は財政拡張への見方や金利差観測の揺れで、年末にかけて円安圧力が意識されやすい流れ(150円台後半が話題になりやすい地合い)。 債券は、日銀の政策金利が0.75%(12月会合)と「正常化」フェーズにあり、国債利回り上昇が家計・企業の資金コストへ波及しやすい。 含意としては、(1)銀行など金利上昇メリット株、(2)円安メリット株、(3)財政懸念で金利が上がり過ぎる局面、の綱引きが2026年序盤の主テーマになりやすい。 中国 住宅・内需テコ入れと輸出依存の調整を同時に進める必要があり、政策は「景気下支え(的を絞った支援)」を継続しやすい。 金融面では、LPRは1年3.0%、5年3.5%(12/22公表)で、景気刺激は“金利より信用・財政”に寄りやすい。 年末は地政学要因(台湾周辺での軍事演習など)が市場心理を揺らし、リスクプレミアムを押し上げやすい。 含意としては、中国関連は「景気の底...

投資家のための「円の実質価値」入門:確率と速度で読む20回シリーズ 第1回:円の「実質価値」を確率と速度で読む(全体像・目的・読み方)

  【時間軸:短期(〜数年)/中期(5〜10年)/長期(10〜30年)】 本稿は、円について「安全/危険」を断定するのではなく、**起こりやすさ(確率) と 進み方(速度)**を整理します。 また、**購買力の変化(実質)**と、**為替・金利など市場の揺れ(名目・市場)**を混同しません。 結論は一つに固定せず、 条件がそろうほど確率が上がり、重なるほど速度が上がり得る という枠組みで読み進めます。 1. なぜ「円の実質価値」を今あらためて点検するのか 「円の価値が下がる」「円安が進む」「インフレが怖い」——。 こうした話題は、ニュースやSNSで頻繁に見かけます。ただ、議論が噛み合わないことが多いのも事実です。 噛み合わない最大の理由は、だいたい次の2つです。 時間軸が混ざる (短期の相場を見て長期の結論を出す/逆もある) 実質と名目が混ざる (購買力の話と、相場の急変の話が同じ言葉で語られる) このシリーズは、ここを丁寧に分けて、読者が「自分で考える材料」を持ち帰れるようにするためのものです。 2. このシリーズの目的(読者が持ち帰るもの) 本シリーズの目的は、特定の結論へ誘導することではありません。目的は3つあります。 目的①:円をめぐる議論を“整理できる頭の地図”を作る 「円が弱い/強い」という単語だけでは判断できません。 どの論点が短期で効くのか、中期・長期で効くのか を分けて、地図を作ります。 目的②:「不安」ではなく“条件”で判断できるようにする 不安を煽る言葉は簡単ですが、投資や家計に役立つのは、次の問いです。 どういう条件がそろうと、購買力が弱くなりやすいのか(確率) どういう条件が重なると、その変化が早まるのか(速度) 本シリーズは、この問いに沿って書きます。 目的③:読者がニュースを見たときに「混同しない」ための基準を持つ ニュースは“刺激的な見出し”になりがちです。 読者がそれに振り回されないために、毎回同じチェック(実質/名目)を繰り返します。 3. まず定義:ここでいう「円の価値」とは何か このシリーズで中心に置くのは、次の意味です。 (A)実質:円の購買力(生活の買える力) 同じ円で買える量が増えた/減った 例:今100円で買えるものが...

金と銀の急落は「シナリオ崩壊」か?—市場の巻き戻しと実体の変化を分けて点検

TL;DR(3行:要約ではなく“判断”) ベース :今回は「証拠金(マージン)引き上げ+年末の手仕舞い」による 短期の巻き戻し が主因で、中期シナリオは直ちに崩れたとは言いにくい。 反証 :実質金利の上昇トレンド化+金ETFの持続的な資金流出が揃うなら、中期シナリオも傷んだ判断に切り替える。 今日やること :レバレッジ前提の想定を外し、チェック項目(実質金利・ドル・ETFフロー・追証環境)を週次で固定化する。 ベースシナリオは何か(時間軸も一言) 「短期は乱高下しやすいが、中期の柱(金融環境・需給・分散需要)が崩れたサインは限定的」 。 反証条件/警戒ラインは何か(1つでよい) 実質金利が“明確に上昇基調”に入り、同時に金ETFが“連続流出”に転じること 。 読者が今日やること(チェック項目 or 小さな行動) 先物・信用などの 証拠金が絡む取引 は、想定レンジを「平常時」から「乱高下時」に切り替える。 「買い増し判断」は、 価格 ではなく「実質金利・ドル・ETFフロー」の3点セットで行う。 銀は金より値動きが大きい前提で、**許容損失(メンタル含む)**を先に決める。 1. 今回の問い(何を判断したいのか) 結論:急落は“シナリオ崩壊”ではなく、まず“市場の巻き戻し”として扱うのが安全。 時間軸:短期(〜3か月)/中期(6〜12か月) 前提:(3行固定) 読者前提:長期積立中心/リスク中程度/現金比率は状況で調整 時間軸:足元1〜3か月のノイズと、今後6〜12か月の地合いを分ける 立ち位置:判断材料の整理(投資助言ではない) 問い :今の金・銀の急落は、上昇シナリオが崩れたサインなのか? 2. いま市場で起きていること(観測事実) 結論:下げの“きっかけ”は、ファンダ悪化というより取引条件(証拠金)と需給の偏りに近い。 時間軸:短期(〜3か月) 【観測】(事実・出来事) 12/29(米時間)に金・銀が大幅下落し、特に銀の下げが目立った。 背景として、取引所側が**証拠金(マージン:先物取引で差し入れる担保)**を引き上げたことが報じられている。 年末で市場参加者が減り、**流動性(売買が詰まらず成立しやすい度合い)**が薄い局面だった。 【解釈...

今日の経済・国際情勢ニュース(2025-12-30)

米国 年末の薄商いで米株は高値圏から小幅調整、テック・素材が重し(ダウ 48,489、S&P500 6,905、ナスダック 23,474)。→短期はリバランス/利益確定で値が飛びやすい 米金利は低下基調(米10年 4.124%、2年 3.469%、30年 4.808%)。→利下げ期待が続く限り長期金利は上値が重く、グロースの下支え要因 ドルは弱含み(DXY 98.00)で、リスク資産の地合いは悪くない一方、材料不足で方向感が出にくい。→「金利低下=一方向の上昇」を前提にしない運用が有利 欧州 欧州株は高値圏で底堅い(STOXX600 589.25付近)。休場が多く出来高は薄い。→小さなニュースでも値が振れやすい 独10年債利回りは低下(2.827%:3週間ぶり低水準)。米金利低下に追随する形。→欧州でも金融引き締め観測が後退しやすい セクターでは資源・テックが支え、ディフェンスが相対的に弱い局面。→年明けのテーマ(防衛・エネルギー・成長)で再度ローテーション余地 日本 株式は需給要因が主導し反落(29日終値:日経平均 50,526.92、-0.44%)。→年末の売買調整が中心で、トレンドは年明けの流動性回復後に確認 金利は高止まり(新発10年 2.045%、30年 2.74%)。→銀行・保険には追い風だが、長期金利上昇は不動産/高PERに逆風 日銀は「利上げペースの速度感(遅すぎず慎重に)」が論点として意識されやすい。→金利・為替のボラが上がりやすく、ヘッジ設計が重要 中国 デジタル人民元(e-CNY)が2026年1月1日から「預金金利に基づく利子付き」になる枠組みが報じられた。→CBDCが決済だけでなく貯蓄領域へ、民間決済との競争が強まる可能性 当局はAI関連サービス(AIコンパニオン等)で監督強化の流れ。→AI企業は収益化の余地がある一方、規制コスト/コンテンツ責任が重くなりやすい EV・電池は、来年初めに中国製リチウム電池需要が落ち込みやすいとの見通し(国内EV販売の反動・輸出鈍化)。→電池素材(リチウム等)と関連株の調整リスクに注意 アジア(その他) アジア株は総じて底堅く、MSCIアジア太平洋(日本除く)は 721.69(+0.3%)。→年末でもリスク選好が残存 インドは株高でも海外資金フローが上値を抑えるとの見方。→2026年は資金流入回帰・企業...

2025年の資産形成を検証し、2026年の「判断軸」をつくる 第6回(最終回)|「当てにいかない投資」の型を完成させる

第6回(最終回)|「当てにいかない投資」の型を完成させる ——2026年の運用を再現可能にする最終チェック この回では、第1〜5回を1つの“運用の型”に統合します。 2026年の見通しを断定するのではなく、変数①〜⑥を使って「点検→判断→行動」を繰り返せる状態に仕上げます。 TL;DR(3行) 2026年は「予想」より、 判断プロセスを固定し、淡々と運用する力 が効きやすい 変数①〜⑥を週1回点検し、「A/B/C寄り」を決め、 事前の行動ルールに従う だけでよい 今日からやること: ①週次テンプレを保存 ②上限(配分)と分割ルールを決める ③債券は年限で設計する 1. 今回の問い(何を判断したいのか) 連載を通して、私たちが本当に目指したのは「当てる」ことではありません。 目指したのは、次の状態です。 相場が上がっても下がっても、判断がブレない ニュースに反応して売買せず、必要なときだけ動ける 2026年が終わっても、同じ型を翌年に持ち越せる この最終回では、これを「型」として完成させます。 2. いま市場で起きていること(観測事実) 2025年の総括として、観測できることはシンプルです。 資産クラス間・国別で差が大きかった(=環境への相性が効いた) 金利とインフレが落ち着ききらず、テーマ(AI・資源・地政学)との絡みで差が拡大した 円建ての体感は、為替(円安・円高)の影響で“見え方”が変わりやすかった この“差”がある環境では、運用の巧拙は「予想」より「型」に出ます。 3. 構造整理(実体と市場を分ける) 3-1. 実体:ファンダメンタルズの因果(変数①〜⑤) 変数① 資本コスト(=金利+流動性) :資産価格の土台 変数② インフレの粘着性 :利下げ余地と実質金利 変数③ 分断・供給制約(資源) :国別・産業別の差を拡大 変数④ AI期待 :株式の上振れ要因/歪みの源 変数⑤ 地政学 :確率は読みにくいが、起きると影響が大きい 3-2. 市場:需給・ポジション・センチメント(変数⑥) 変数⑥ ストレス(速度) 信用(スプレッド) 流動性(詰まり) 為替急変(円建て体感の変化) 同じ実体でも、⑥...