今日の経済・国際情勢ニュース(2025-12-31)
米国
FRBは12月会合で政策金利を3.50〜3.75%へ0.25%利下げしたが、議事要旨では当局内の見方の分散が示され、2026年の追加利下げは「段階的・選別的」になりやすい空気感。
政府機関閉鎖が統計の連続性に影響したとの指摘もあり、次の材料は年明けの雇用・インフレに集約されやすい。
住宅では、FHFAの住宅価格(10月)が前年比+1.7%と伸びが鈍化しており、金利低下だけでなく「価格の落ち着き」も改善材料になり得る。
含意としては「景気減速への保険」と「インフレ粘着」の綱引きが続き、長期金利が下がり切らない局面では株式の上値余地が選別化しやすい。
欧州
欧州株は銀行・資源株が支え、STOXX 600が592台まで上昇するなど、年末の薄商いでも堅調さが残った。
ECBはデポジット金利2.00%(据え置き局面)を軸に、インフレ鈍化と成長の弱さを天秤にかける構図が継続。
英国はBOEが12月に政策金利を3.75%へ引き下げた一方、追加利下げペースは慎重姿勢が意識され、ポンドは対ユーロで底堅さが出やすい。
含意としては、欧州は「金融緩和期待+銀行収益(利ざや)+資源循環」の組み合わせで指数は粘るが、景気指標の弱さが出ると上昇の持続性は落ちやすい。
日本
大納会の総括として、日経平均は5万339円水準で年を終え、年間では約+26%と報じられている(年末は薄商いで値動きが荒くなりやすい)。
円相場は財政拡張への見方や金利差観測の揺れで、年末にかけて円安圧力が意識されやすい流れ(150円台後半が話題になりやすい地合い)。
債券は、日銀の政策金利が0.75%(12月会合)と「正常化」フェーズにあり、国債利回り上昇が家計・企業の資金コストへ波及しやすい。
含意としては、(1)銀行など金利上昇メリット株、(2)円安メリット株、(3)財政懸念で金利が上がり過ぎる局面、の綱引きが2026年序盤の主テーマになりやすい。
中国
住宅・内需テコ入れと輸出依存の調整を同時に進める必要があり、政策は「景気下支え(的を絞った支援)」を継続しやすい。
金融面では、LPRは1年3.0%、5年3.5%(12/22公表)で、景気刺激は“金利より信用・財政”に寄りやすい。
年末は地政学要因(台湾周辺での軍事演習など)が市場心理を揺らし、リスクプレミアムを押し上げやすい。
含意としては、中国関連は「景気の底割れ回避」と「地政学の上振れリスク」が同居し、アジア資産のディスカウント要因が残りやすい。
アジア(その他)
アジア株(日本除く)は年末の薄商いで小動きでも、年間では+20%台後半の上昇が意識され、リスク選好の“貯金”が大きい一年。
台湾周辺の緊張は、サプライチェーン(半導体・電子部品)のリスクプレミアムとして残りやすい。
豪州・東南アジアは資源と中国需要の見通しが相場の“上限”を決めやすい。
含意としては、2026年序盤は「米金利・ドル安の継続性」と「地政学ヘッドライン」の二軸で、アジアの上昇が加速も減速もし得る。
国際政治(外交・安全保障・地政学)
ロシア・ウクライナでは緊張が再燃しやすく、和平観測が出ても市場は慎重に織り込みやすい。
中東では対立激化懸念がくすぶり、原油・金など“安全資産/地政学プレミアム”が断続的に乗りやすい。
台湾周辺の軍事行動は、航空・海上輸送、半導体供給への連想でリスク回避を誘発しやすい。
含意としては「ニュースが出た瞬間のボラティリティ上昇」を前提に、ポジションサイズ管理の重要度が上がる。
国内政治(主要国の政策・選挙・政局)
日本は積極財政スタンスが意識されるほど、国債需給と為替(円安)を通じた“市場からの規律”が強まりやすい。
米国は貿易・対外政策(関税など)の不確実性が残り、インフレ再燃リスクと企業マージンの両面で材料化しやすい。
欧州は景気下支えと財政規律のバランスがテーマで、国別の金利差や銀行株の反応が出やすい。
含意としては、2026年は「政策の方向性そのもの」より「市場が許容する財政・金利水準」が先に相場を動かしやすい。
不動産市場
米国は住宅価格の伸びが鈍化(10月:前年比+1.7%)しており、金利低下が進めば“取引回復”の芽が出やすい一方、供給制約が戻りの上限になりやすい。
中国は不動産の調整が続く前提で、消費・地方財政に波及しない範囲での安定化策が焦点。
日本は長期金利上昇が住宅ローン金利に波及しやすく、実需の耐性(所得・雇用)次第で地域差が広がりやすい。
含意としては、不動産は「金利の方向(資本コスト)」に最も素直に反応し、2026年のリスク分散で“金利感応度”の再点検が有効。
債券市場
米10年債利回りは4.12%前後、2年債は3.45%前後が意識され、利下げ局面でも“長期は粘る”形になりやすい。
日本は10年国債利回りが2.075%近辺まで上昇し、年間の上昇幅が大きかったことが話題(財政・日銀買い入れ縮小・物価の組み合わせ)。
欧州は政策金利低下が進んでも、財政・成長見通しで国別にスプレッドが動きやすい。
含意としては、「利下げ=長期金利も一直線に低下」ではなく、財政とインフレ期待が長期を下支えし、株式の割引率(バリュエーション)に効きやすい。
コモディティ関連
原油:Brent 61.9ドル、WTI 58.0ドル近辺と、地政学要因で下げにくい一方、供給増観測が上値を抑えやすい。
天然ガス:年末時点で高止まり観測が残り、冬場需給とLNGフローが価格変動の中心。
金・銀:金は4,360ドル台へ反発、銀は急騰・急落後に70ドル台半ばへ戻すなど、年末のポジション調整でボラティリティが高い。
その他資源:銅など“電化×AI”需要が意識されやすいが、中国需要と金利(ドル)で短期の振れが出やすい。
テクノロジー動向
AI投資は引き続き相場の中心テーマだが、「過剰投資懸念」も同時に意識され、指数上昇が続いても中身は選別が進みやすい。
半導体・装置は地政学(対中規制)とサプライチェーン寸断リスクが、プレミアム(上振れ/下振れ両方)として残る。
日本ではAI関連の大型株が年末も話題になりやすい一方、金利上昇局面ではPERの高い領域ほど調整が出やすい。
含意としては、2026年は「AI=一枚岩」ではなく、(電力・冷却・ネットワーク)(メモリ)(装置)(アプリ/サービス)で勝ち筋が分岐しやすい。
市場サマリー(時点:2025-12-31 07:00 JST目安:主にNY 12/30終値ベース)
株式:S&P500・NASDAQは薄商いで小幅安、欧州は高値圏(STOXX 600が592台)で推移しやすい。
債券:米10年4.12%前後、日本10年2.075%前後が意識され、割引率の“高止まり”が株の上値を選別しやすい。
為替:ドル指数は98台、USD/JPYは156円台、EUR/USDは1.17台が目安で、ドル安基調の継続性が焦点。
コモディティ:WTI 58ドル台、金4,360ドル台、銀70ドル台半ばと、年末要因で価格変動が大きくなりやすい。
銘柄視点分析
米国株
Nvidia:材料=データセンター投資の継続 / リスク=バリュエーションと対中規制 / 次に見る指標=ハイパースケーラーのCAPEX計画、GPU供給制約、輸出規制の運用。
Apple:材料=サービス収益の粘り / リスク=中国需要・為替・関税の不確実性 / 次に見る指標=iPhone出荷、サービス成長率、地域別売上の変化。
インドITセクター(Infosys, Wipro 等):材料=コスト削減・DX需要 / リスク=米欧景気減速で案件先送り / 次に見る指標=受注残、金融(BFSI)向けIT投資、為替(USDの方向)。
日本株
銀行株/金融セクター:材料=金利正常化で利ざや改善 / リスク=国債評価損・景気減速 / 次に見る指標=10年JGB、日銀スタンス、預貸動向。
輸出企業(自動車など):材料=円安で採算改善 / リスク=海外需要減速・通商政策 / 次に見る指標=USD/JPY、米販売統計、関税・規制のヘッドライン。
投資家向け示唆(3点)
年末は「薄商い×ヘッドライン」で価格が飛びやすい。方向感より、サイズ管理と分散の設計が効く局面。
2026年は“利下げ局面でも長期金利が粘る”シナリオが現実的で、PERの高い領域は選別・調整が起きやすい。
地政学(中東・台湾・ウクライナ)がコモディティとボラティリティの下支え要因になりやすく、金・エネルギーは「保険」としての位置づけを再確認。
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