第12回:積立とリバランスのルール(迷いを減らす)
【時間軸:短期(今日〜3か月)/中期(3か月〜2年)/長期(2年〜)】
本シリーズでは、読み手を「読者」、書き手を「筆者」と表記します。特定商品の推奨ではありません。生活(実質)と市場(名目)を混同せず、断定語を避け、条件文で整理します。
今回の結論(1文)
予想よりルール。積立と定期リバランスを“先に決める”ほど、相場が荒れても判断が崩れにくい。
要点(なぜ重要か)
第11回で、資産は3層(守る/備える/育てる)で役割分担すると迷いが減る、という設計図を示しました。
ただ、設計図だけではまだ不十分です。相場が動くと、設計図があっても人は迷います。迷いの正体はたいてい次のどちらかです。
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何をいつ買うか(または売るか)を、その都度考えている
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例外が多すぎて、実質ルールが無い
だから第12回では、当てる技術ではなく、迷いを減らすルールを作ります。
円の実質価値が揺れそうな時期ほど、ニュースやSNSは刺激が増えます(第2回)。その刺激に対して、反射的に動かないための「型」が必要です。
前提(扱わないこと)
この回では次を扱いません。
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最適な商品や銘柄の断定
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“暴落を当てる”手法
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短期売買の細かな技術
扱うのは、誰でも実装しやすい 積立とリバランスの基本ルールです。
まず結論:ルールは「4つ」だけでよい
ルールを増やすほど、人は守れなくなります。最小で十分です。
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積立は原則継続
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例外は“生活イベント”だけ
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リバランスは定期でやる
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点検日を固定し、毎日いじらない
これだけで、多くの“判断の崩れ”は減らせます。
ルール①:積立は原則継続(相場で止めない)
積立は「買い時を当てる」仕組みではなく、意思決定の回数を減らす仕組みです。
相場が荒れるほど、判断回数が増えるとミスが増えやすい(第2回の構造)。積立はそれを防ぎます。
ただし「例外」を先に決める
積立を止めていい理由は、原則として 生活イベントだけにしておくと混線しにくい。
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失業・収入急減
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病気・介護・家族事情
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大きな予定支出(住宅、教育など)
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防衛資金(第1層)が不足した
相場ニュースやSNSは“例外”にしない。ここを曖昧にすると崩れます。
ルール②:リバランスは「定期」でやる(気分でやらない)
リバランスは、値上がりしたものを少し減らし、相対的に下がったものを少し増やす作業です。
これを気分でやると、結局「上がっているものを追いかける」「下がっているものを怖がって避ける」になりやすい。
定期リバランスの考え方(シンプル)
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年1回、または半年に1回など
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それ以外のタイミングで触らない
頻度は読者の性格で決めてよいですが、頻度を上げるほど判断が増えます。多くの人は年1回で十分です。
ルール③:点検日を固定する(毎日見ない)
点検日がないと、相場は毎日「意思決定」を迫ってきます。
点検日を固定することで、“相場のノイズ”を生活に持ち込まない状態を作れます。
点検日の例
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月1回:家計(第7回)+投資の状況を確認
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年1回:資産配分のリバランス(この回)
読者の生活に合わせてよいですが、「固定」することが重要です。
ルール④:“やらないこと”を先に決める
第2回の復習でもあります。効果が大きいのは、やることより“やらないこと”です。
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ニュース直後に売買しない
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断定口調に乗って一括で動かさない
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不安を理由に積立を止めない(生活イベントは別)
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第1層(防衛資金)に手を付けて投資を増やさない
これを先に決めると、相場が荒れたときの行動が安定します。
実装:3層モデルに「ルール」を載せる
第11回の3層モデルと結びつけます。
第1層(守る)
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目的:生活を止めない
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ルール:投資判断から切り離す/年1回点検
第2層(備える)
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目的:近い将来の支出
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ルール:用途が変わったら見直す(相場で動かさない)
第3層(育てる)
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目的:長期で育てる
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ルール:積立継続/定期リバランス/点検日固定
これで「相場が動いた→どうする?」が、役割ベースで整理されます。
落とし穴:ルールが形骸化する3つの理由
1) 例外が増える
例外を増やすほど、ルールは消えます。例外は生活イベントに絞るのが分かりやすい。
2) 点検頻度が高すぎる
見れば見えるほど触りたくなります。多くの人は月1点検+年1リバランスで十分。
3) ルールが“難しすぎる”
複雑なルールほど守れません。まずは最小4ルールでよい。
反証(フェアネス):市場環境で“臨時対応”が必要な場合もある
極端な制度変更や生活の急変など、臨時対応が必要な局面もあります。
ただしその場合でも、「相場が怖いから」ではなく、「生活イベントだから」と理由を明確にすると、判断がブレにくい。
今回のまとめ(3点)
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予想よりルール。積立と定期リバランスで迷いを減らす
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例外は“生活イベント”だけに絞ると崩れにくい
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点検日固定+やらないこと明文化で、刺激に反応しにくくなる
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